Money Connection

  • のべ実施高校数

    1503

  • のべ参加生徒数

    186380

  • ファシリテーター数

    75

※2024年6月末時点

2時間のワークショップで考える「働き方」と「お金」

#先生  #インタビュー  #全日制  #2年生  #自主開催  #クラス単位で実施 
橋本 啓佑 講師
総合学科部で「産業社会と人間」の授業を担当している。
教科は地歴公民。教師になって3年目、有馬高校のホープの1人。
岡本 康平 講師
総合学科部で「産業社会と人間」の授業を担当している。教科は福祉。
介護施設での実戦経験もある。
教師になって2年目、橋本先生と同じく有馬高校のホープとして期待がかかる。

総合学科の1年生全クラス合同でお金について考える

有馬高等学校では、2011年に初めて導入、そして2014年からはずっと継続して総合学科でMoneyConnection®を実施されています。その実施内容について具体的に教えてください。
橋本先生 有馬高校総合学科では、3年間を通して、自分の生き方を考える授業を実施しています。1年次では「産業社会と人間」という授業の中で行っています。
本校では、夏休みまでは進路について考えることに主眼を置き、さらに夏休みが終わってからは、「プロフェッショナルin有馬」という授業で7回の講座を展開し、働くこと、そして自分の夢について考えていきます。
MoneyConnection®は、その第1回「お金について考える」の授業で実施しています。
MoneyConnection®で働き方についての違いをアクティブに学習したあと、その復習も兼ねて、働き方の違いや待遇の違いを考え、インタビュー講座でインタビュー方法を学んだ後、職業人インタビューを実施します。そうした一連の流れの最初に、MoneyConnection®を位置づけています。
体系化されているカリキュラムの貴重な入り口部分でMoneyConnection®を使っていただいていることがわかりました。ところで、金銭教育に関するプログラムがいくつもある中で、MoneyConnection®を選び、導入したきっかけは何だったのでしょうか?
岡本先生 働くことについて学ぶにあたり、その導入としてお金の大切さを学ぶために何か必要なことを取り入れようと考えました。他校の総合学科の事例も参考にするなかで、この教材を知り、取り入れたと聞いています。
背景に、急増するフリーター問題があり、安易にフリーターを選ぶ生徒がいたようです。今は、「フリーターはまずい」と世間で言われるようになっていて、それを生徒たちは根拠もよくわからないまま素直に受け入れ、単純にフリーターは良くないものと思っています。どちらにしろ、そこには「お金に関する無知」という課題があると考えています。
そこで、楽しい活動を取り入れながら、きちんとお金や働き方についての基礎知識を学べるプログラムということで選んでいるのが、MoneyConnection®です。最初に取り入れたのは2011年。生徒たちの反応も良いことから、ずっと継続してお世話になっています。
MoneyConnection®の最初の印象はいかがでしたか?
橋本先生 講義形式で生徒に伝えても、頭の中をすーっと抜けてしまいがちな内容を、実際に動きながらワークショップの形で行うのは、より生徒に入りやすいのではないかなと感じました。

岡本先生 本校の生徒は、体験型で何かをやったりというのが好きな子たちが多いので、ワークショップというのはいい教材だと思います。こういう2時間のワークショップに時間を割けるというのは、有馬高校ならではのメリットだなあと感じています。
有馬高等学校では、クラスごとではなく、総合学科の1年生全クラス合同でプログラムを実施しているようですが。
岡本先生 最初の導入時は、ファシリテーターの方5〜6人に来ていただいて、各教室で授業をしていただいたのですが、ファシリテーターによって受ける印象が違うというのが課題だったようです。
その後、育て上げネットさんの方から「教師がファシリテーターを務めて、大教室で実施することもできますよ」と提案があり、そこでここ何年かはずっと大きな講義棟で実施しているんです。ファシリテーターの方に前で授業をしていただき、担当教師が教材配布や回収などをしながら各グループを見るという形式で行っています。

橋本先生 もともと「産業社会と人間」という授業はチームティーチングなので、1クラス40人に対して教師が2人つくんです。
このMoneyConnection®では、200人を13グループに分けて、15〜16人で一つのグループを作り、それぞれ1人の教師がつきます。時間は2時間の枠を使っています。大教室ということでコントロールが難しいと思われるかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。ふだんの教室よりも、かえって大教室の方がお互いの席が近いですし、カードを引くといった遊び心がある授業を展開してくださるので、生徒たちも乗ってきますしね。
実施の費用についてはどのように対処していますか?
橋本先生 5年前に当時の学年主任と総合学科部長とで打ち合せた結果、教材費300円という形で生徒負担の学年費の方から支出することになり、それをMoneyConnection®の費用に充てています。200人なので、だいたい6万円ほどになります。
「産業社会と人間」の授業では、MoneyConnection®のほか、適性検査や小論文、冊子の制作費なども含めて、費用がかかる活動については慎重に主任と相談しながら決めていきます。そのうえで、4月の担当者会で提示してOKをもらって活動しています。

「一人暮らしはこんなにお金がかかるのか!」
働き方の違いを考えるきっかけにも

授業中の生徒たちの反応はいかがでしたか?
岡本先生 もともと有馬高校の子たちは明るく元気で、反応がよく、すごくノリがいい。特にこのプログラムでは、「カードを引くというだけでこんなに喜ぶのか!?」とびっくりするくらい喜んでいました。
フリーターのカードを引いて「うわ〜っ」と、この世の終わりみたいな叫び声を上げたり、「あ、正社員!」「おれ、独身!」「良かった〜、子どもふたり!」など、リアクションが楽しそうでしたね。

橋本先生 本校では、4月のクラス開きのときから、さまざまなアクティビティを通して仲間作りも意識して行っています。そのうえで、「産業社会と人間」の授業では、年間を通してコミュニケーショントレーニングやグループ活動を行っているんです。なので、話を聞いたり、話したりというやりとりの練習を日頃からやっています。そういった流れの中でのMoneyConnection®の授業なので、より活発なやりとりが出てくるのだと思います。
振り返りの時間で、MoneyConnection®についても学習の記録を書いていただいているということですが、どのような感想がありましたか?
橋本先生 たとえば「働くことの大変さを知り、改めて父母に感謝したいと思った」というコメントです。教師がみんな感動しました。

岡本先生 「一人暮らしにはけっこうお金がかかる」ということに気づいたと答えた生徒も多く、そこから「安定したお給料がもらえる職業に就きたい」とか「一人暮らしは無計画では難しいと知った」という感想が出てきていましたね。

橋本先生 「正社員と派遣社員、フリーターの違いが一番印象に残った」というコメントがあり、働き方や雇用形態についても考えるきっかけになっていますね。それぞれのデメリット、メリットを理解したうえで「改めて正社員になることを目指したい」という子や、「どの働き方にもいい面と悪い面があるとわかった」「どの働き方が自分にとって一番いいかを考えていきたい」と書いている子もいました。

岡本先生 「グループワークでまわりの人と話しながら考えられたので、より深く理解できた」という感想もありました。

200人の生徒+教師+認定ファシリテーターが
全員で授業を作る一体感がある

総合学科高校では、金銭教育なども学校独自にカリキュラムを企画されるところもあると聞いています。そうした専門性や蓄積がある中で、あえて有馬高校では外部のプログラムを教材として活用していただいています。あらためて、MoneyConnection®のプログラムの良さについてどう思われますか?
岡本先生 授業の展開でありがたいと思っているのが、節約できるお金と、できないお金について、きちんと説明してくださること。税金や社会保障についても、そのうち生徒は忘れてしまうかもしれないけれど、実際に就職活動をするときや、会社員になったときに、高校1年生のときにこういう授業をやったということが頭の片隅にでもあったら、すっと理解できるのではないかなと思っています。
橋本先生 お金に関する授業は、真面目すぎて説教くさくなりがちなので、生徒たちはどうしても眠くなると思うんです。すると、そのときはわかったつもりでもすぐ忘れちゃう気がします。ところがMoneyConnection®の授業は、トランプを引くような動きがあったり、自分で考えをまとめたり、最初に自分で金額を想像したり、さまざまに考えたり活動したりします。そうすると、生徒たちの感想からも伝わってくるように、非常に反応がいいんです。体を動かしながら学ぶほうが身につくんですよね。

岡本先生 たぶん、本校の担当者がそれぞれの教室で授業を行うと、担当によって話すことが変わってくると思います。担当によって主旨が変わってしまうかもしれません。その点、MoneyConnection®は、それ自体が1つのメッセージを持っているプログラム。しかも大教室であれば、同じメッセージを同時に伝えることができます。

橋本先生 グループの人数も15〜16人で、そこに担当の教師が1人つくという形式も良かったのだと思います。ファシリテーターの方も前と後ろから様子を見てサポートしてくださるので、200人の生徒と教師14人、それからファシリテーターの方3名、みんなで授業を作っているという一体感があるんです。
毎年継続する中で、プログラムを改善してきた部分や、変えていきたい内容などはありますか?
岡本先生 「産業社会と人間」のスケジュールや内容については、ここは時間が足りないとか、間延びしたなど、反省点をメモしておいて、それをもとに2月くらいに内容をブラッシュアップするようにしています。ただ、MoneyConnection®に関しては最初から反応が良くて、生徒も喜んでいるので、特に変更はしていません。
もちろん、育て上げネットさんとの打合せのときに、「振り返りシートはどうしましょうか」といった細かい部分での意見交換はしています。生徒の層や家庭環境も毎年少しずつ違うので、その点も踏まえて、言い方や情報の選び方などは毎回調整してもらっています。

MoneyConnection®の経験が
進路を考えるうえでの引き出しを増やす

MoneyConnection®を通じて、どんなことを学んでもらいたいですか?
岡本先生 お金を稼ぐというのは大変なことだと思うのですが、一方で、働くやりがいがあったり、面白さというのもある。そういうことも、関連して指導していけたらいいなと思っています。
たとえば僕はずっと福祉の分野で働いていますが、福祉の仕事に就きたいから福祉の勉強をしてきたわけです。生徒たちにも、将来どういう道に進むのかを考え、そのために夢を持って勉強する。この授業がそういうことを考える第一歩になったらいいかなと思います。

橋本先生 生徒が社会に出たときに、どんな状況になっても自分の意思で成長していってほしいと思っています。
大事なのは、めざす職業でどういうふうに生きていくのかを考えること。でも現段階では、働くことについてあまりイメージできていないし、将来が見通せていません。ですから、このプログラムを通じて、働くことってなんなんやろ、働いてお金をもらうというのはどういうことなんやろ、というのを深く考えるきっかけにしてほしいと思っています。
あとは、お金の大切さを知ってほしいですね。高校という学びの場を考えても、いろいろなお金が使われています。たとえば学校の施設、あるいは授業でどこかに出かけるにしてもお金がかかっています。そうした環境の中でいろいろな教育活動をしてもらっているんだという自覚も大事なのかなと思います。
この授業は1年次の実施ですが、その後の指導にはどう活かされているのでしょうか?
橋本先生 総合学科部では「生き方を考える授業」の中で3年間学んだものは資料として蓄積して、進路指導部と連携しています。本校は、推薦入試やAO入試も多いのですが、その選択過程で1年次にやった資料を開いて、「お金について考えたとき、あなたはこういうふうに考えたよね。それで、あなたはこの大学に入って何がしたいと思ったの?」と振り返って、改めて考えさせる材料にしています。
大学進学にしてもお金がかかりますから、そのお金をどうするのかを考える必要があります。その意味でも、お金の感覚の基礎的なところを1年生のうちに身につけておくのは非常に意味があると考えています。

岡本先生 昔に比べて大学進学率が上がりましたよね。一方で、7人に1人が貧困という現状もあります。奨学金をうまいこと活用したら進学できる生徒もいますから、そういう道ももうちょっと指導できたらいいなあと思っています。
また、私自身、やりたい仕事や資格のために学び直しをした経験があります。生徒たちにも、進路にはいろいろな選択肢があることを知ってほしいし、自ら自己実現に向けて動ける生徒になってほしい。そのときに、勉強するにしても、自活するにしても大事になってくるのはお金です。めざす進路があれば、そのお金はどうするかということをしっかり考えるようになってほしいと思っています。
それぞれの教科で、MoneyConnection®での学びを活用できる部分はあるでしょうか?
岡本先生 福祉科では、社会福祉基礎という授業で、生まれてから亡くなるまでのライフプランの勉強をします。そういう部分で触れていくことができると思っています。私が教えるクラスは福祉に興味を持っている子が多いですから、年金や社会保障についての関心が高く、そうした学習の切り口として、MoneyConnection®の内容をうまく使っていけるかなと思っています。

橋本先生 経済に関わるところで、非正規労働者やフリーターという言葉が出てきても、どうしても他人事になってしまう部分があります。しかしこのMoneyConnection®を実施した後であれば、自分のこととして捉えるという点で非常に有効だと考えています。
プログラムの実施によって、生徒たちの変化や成長を感じるところはありますか?
岡本先生 1年次の最後に「産業社会と人間」の集大成として、「人はなぜ働くのか」をテーマにした課題文型小論文を書かせます。その小論文の講師から「有馬高校の生徒は、非常に具体性のあるサポートセンテンスが書けている」とよく誉められるんです。小論文の課題には「お金のために働く」といった言葉が出てきますが、本校はアルバイト禁止なので、生徒たちは実際に働いた経験はありません。その中でこうしたテーマに取り組めるのは、MoneyConnection®で勉強したことや、様々な社会人講師の先生方から聞いたことが土台になって、自分の中に引き出しを増やした結果だと考えています。
ありがとうございました。

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