MoneyConnection®についてもっと知りたい方
MoneyConnection®についてわかりやすい資料をお送りします。
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「どんな教育があればよかったか」
ひきこもりやニートになった若者に聞いてみました。そのとき出てきたのが「お金」。なぜなら生きていくために必要なものだから…。
MoneyConnection®は、そんな若者たちの声から生まれたプログラムです。
2005年、育て上げネット理事長の工藤啓が東京都のとある高校でキャリア講話を行いました。
講話の経験は幾度もあるものの、それまでと異なったのは、当時多くの学校現場で避けられがちだったリアルな「お金」の話を盛り込んだこと。育て上げネットが主催する若年者就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」の現場で、工藤自らが聴き取った若者たちの教育へのニーズをすかさずキャリア講話に取り入れるという試みでした。
一人暮らしにはどのくらいのお金が必要なのか、そのお金をどう稼いで、どのように使えばいいのか。
そんな話に食い入るようなまなざしを向けて聴き入る生徒の反応を感じたとき、これは若者たちに本当に必要とされているテーマであると確信したといいます。
その場には、社会貢献活動として中高生向けキャリアメンタリングプログラムを実施してきた新生フィナンシャル株式会社(当時)のCSR担当者が立ち会っていました。
当時の日本におけるニートの存在という社会課題に着目していた担当者は、生徒たちの様子を目の当たりにして、この課題解決の手段としてお金に関する教育に可能性を見出しました。
若者支援を専門とするNPOと金融を専門とする企業。このときの出会いをきっかけに若者のためにやりたいこと、できることについて話し合いを進めるうちに、若者がニート状態に陥る原因の1つに「お金に関する知識や金銭感覚の欠如」があるのでは、という考え方で一致。
2006年6月、異なる専門性をもつ2つの組織が、それぞれの強みを活かして協働。「お金」の教育プログラムを開発するというチャレンジがスタートしました。
プログラム開発は、まさにゼロからのスタートです。目的、ターゲット、プログラムの提供方法、メッセージ、一つひとつを明確にするため、東京大学社会科学研究所教授の玄田有史氏を中心とした教育・金融など各分野の有識者で構成されるアドバイザリーボードを2006年7月に設置。専門的な角度から検討を重ねました。
「お金を知ることを、将来の希望につなげることはできないか?」「お金は必要なものだけれど、『お金至上主義』という誤解を与えないか?」「将来をリアルに考えるきっかけとするには、どうすればいいか?」。
こうした議論の末、私たちが開発するプログラムは、高校生を対象に、生きていくために必要なお金の情報を届ける「金銭基礎教育」と位置づけ、それまで主流の株や投資、経済などをテーマとした金融・金銭教育とは異なる視点でアプローチすることを決めます。
そして「働くこととお金」について考える「稼ぐ編」、「お金を通じてモノの価値と自分の価値観」について考える「使う編」、2つの教材から構成されるプログラムをつくるという方向性が定まりました。
手始めに、育て上げネットが高校生を対象に実施してきた「生活費を知ろう!」ワークショップや、新生フィナンシャルのキャリアメンタリングプログラムの経験をもとに10以上の素案を作成。時にはアドバイザリーボードメンバーも生徒役となり、プログラムを実際に体験しながら、繰り返し教材内容を検証してようやく原案が完成。
そして、2006年10月から全日制、定時制など特徴の異なる高等学校9校でパイロット実施。微調整を重ねた結果、ようやくアドバイザリーボードの全メンバーが納得できるプログラムになりました。「MoneyConnection®」の誕生です。
正式な提供開始を前にメンバーから最後に寄せられた助言、それは「MoneyConnection®」に魂を入れるのは、教材を生かして生徒に気づきを与える“ファシリテーターの存在”であるということ。このときの教えは現在までしっかりと受け継がれています。
約10カ月におよぶ開発期間を経て金銭基礎教育プログラム「MoneyConnection®」は完成。2007年3月、東京都立第一商業高等学校での授業を皮切りに、いよいよ本格的に高等学校への提供を開始しました。
2007年度には、東京都教育庁の教育支援コーディネーター事業の一環として、都立高校23校を対象にプログラムを実施。(東京都教育庁からの委託は「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」に事業名を変えて現在まで継続)
翌2008年度には福島県の若年者地域連携事業でも採用され、2年間で福島県内のべ22校の高校生も受講機会を提供することができました。(2009年度まで)
以来、高等学校からの直接のご依頼のみならず、大阪府商工労働部「高校生の職業意識を3D化する事業」(2012年度~2013年度)、埼玉県定時制高校における自立支援プログラム事業(2012年度~2019年度)、大阪市若者自立支援事業「コネクションズおおさか」での高校連携事業(2016年度~)など、自治体主体のさまざまな事業においても採用されています。
また、ひとりでも多くの高校生に受講機会を提供するには、学校現場の先生方にプログラムを知っていただくことも必要です。そこで、2008年度には教職員を対象としたMoneyConnection®セミナーを、東京都、大阪府、神奈川県で開催しました。
さらには、新聞やテレビなどでMoneyConnection®の取り組みが紹介されるなど、注目度も向上。そして、2008年度中にのべ実施高校数100校、のべ参加生徒数10,000名を突破するなど、活動範囲を拡げていきました。
MoneyConnection®の知名度が上がるにつれて、全国各地から出張授業の要請が届くようになりました。その結果、より広い地域でプログラムの質を守りながら安定的に提供するという、持続可能で、現実的な普及のしくみの必要性を強く感じるようになります。
ポイントは2つ。1つは、MoneyConnection®の考え方に共感し、プログラムに魂を吹き込んでくださる質の高いファシリテーターを増やすこと。そして2つ目は、社会事業として持続的な運営に必要な資金調達を見据えた体制をつくること。
この2つの課題を乗り越えるため、2009年7月、認定講師(現・認定ファシリテーター)制度と、公認実施団体制度をスタートさせました。
認定講師制度では、ファシリテーター養成講座の受講を通して、MoneyConnection®認定ファシリテーターとしてのマインド・スキルセット。さらには、義務と責任を共有したうえで、有料で登録をいただくことで、数と質、そして制度運営に関わる費用の調達という課題に対応。
また、公認実施団体制度は若者支援や地域人材育成に関心のあるNPO法人などが、自前の人材と資金を生かして地域に根差した活動を行えるしくみとして定着しています。
さらに2012年からは、SBI新生銀行グループのネットワークを通じて地域金融機関との連携も開始。地域とのつながりが深い銀行が、公認実施団体として、あるいは地元の公認実施団体への協賛というかたちでMoneyConnection®の活動に参画しています。
MoneyConnection®は、プログラムの内容だけでなく、SBI新生銀行グループとの長きにわたる協働事業として、また普及のためのしくみづくりなど、教育、社会事業、マネジメントなど多面的に独自の視点をもって展開してきました。
こうした私たちの取り組みに対して、さまざまな角度から評価をいただいております。
【教育プログラムとして】
2011年 経済産業省主催「第1回キャリア教育アワード」優秀賞
【社会事業として】
2013年「第1回日経ソーシャルイニシアチブ大賞」ファイナリスト選出
【NPOと企業の協働事業として】
2015年「第11回日本パートナーシップ大賞」サンクゼール賞
『すべての若者が、いつでも必要な時に、MoneyConnection®に参加できる体制をつくる』
私たちはそれを社会インフラ化と呼びます。
認定ファシリテーター制度、公認実施団体制度、地域金融機関の参画、これらのしくみを基盤に、社会の変化に目を向けながら、プログラムの社会インフラ化をめざして歩んでいます。
2006年度 |
10校 1,170名 |
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2008年度 |
147校 19,057名 |
2010年度 |
321校 36,227名 |
2012年度 |
400校 45,000名 |
2014年度 |
550校 75,000名 |
2017年度 |
943校 122,811名 |
2018年度 |
1,057校 136,232名 |
2019年度 |
1,158校 148,577名 |
2020年度 |
1,243校 158,270名 |
2021年度 |
1,329校 166,888名 |
2022年度 |
1,424校 176,535名 |
実施高校数
参加生徒数