Money Connection

  • のべ実施高校数

    1494

  • のべ参加生徒数

    185430

  • ファシリテーター数

    75

※2024年3月末時点

スペシャル

対談

学習指導要領の改訂で
学びはどう変わる?

学習指導要領の改訂を受け、学校教育は大きな変化の時期を迎えています。

今後の学びはどう変わるのか?学校現場が抱える課題は?

若者の教育に深く関わる二人の対談から探っていきます。

PROFILE

  • 認定特定非営利活動法人 育て上げネット

    工藤 啓

    同団体理事長。2001年、若者の就労支援を専門とする任意団体「育て上げネット」を設立。2004年にNPO法人化。金沢大学客員教授、東洋大学非常勤講師。内閣府・厚生労働省・文部科学省・東京都などの委員を歴任。著書に「大卒だって無職になる “はたらく”につまずく若者たち」(エンターブレイン)などがある。

  • 文部科学省/国立教育政策研究所 総括研究官

    長田 徹

    石巻市立雄勝中学校教諭、仙台市教育委員会指導主事などを経て、2011年5月から文部科学省。現在、文部科学省 初等中等教育局 教育課程課 教科調査官、同児童生徒課/高校教育改革PT 生徒指導調査官。国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター 統括研究官、同教育課程研究センター 教育課程調査官。

自分の価値観と向き合い、価値観を
上書きしていくこともキャリア教育

工藤MoneyConnection®は身近なお金のこと考えることから始め、将来、どう働いて・どう稼ぐのかということを、カードゲーム形式で体験するプログラムです。
率直にお聞きしたいのですが、このプログラムは新しい学習指導要領のキャリア教育や、よりよく生きていくための教育に有効でしょうか?

長田お金を稼ぐこと、生活の糧を得るということは、将来、どの子にも必要になってくることですよね。だからそれを、中学校や高校の時にちゃんと授業の中で体験させて、学ばせるということは、大事なことだと思います。
それを家庭科でやるのか、社会科でやるのか…。それは学校がどういう仕組みを作るかで違うと思いますが、こういったプログラムは非常に有効だろうと思います。

工藤昔は学校を卒業したら就職して、たくさん働いてたくさんお金を稼ぐという価値観があたり前のようにあったと思いますし、転職の理由も「よりたくさん稼ぎたい」というものが多かったと思います。でも、今20代・30代の人に就職先を決めた理由や転職の理由を聞くと、「ワークライフバランス」や「長く仕事を続けたい」「家庭を重視したい」ということを言う方が多くなってきたな、という実感がありまして。
MoneyConnection®は、稼ぐことと自分の時間のバランスや、結婚・子育てといった将来の生活を考えた仕事など、子どもたちが今まで意識していなかったことを考えるきっかけになると思っています。社会に出る前、早い時期に働く価値観を考えるきっかけを作ることは、とても大切なことだと思うのですが。

長田人は変わるんですよね。例えば、今はお金が一番だと思っていても、人生経験を積む中で社会貢献が一番だと思うようになる人もいます。また、ある何かをきっかけにして、やっぱり自分の時間が一番だなと思うようになるなど、人の価値観はどんどん上書きされていくんです。
だから、定期的に自分の価値観を考えさせることが大切。「お金を稼ぐことって大事だよな」「お金ってこうやって稼ぐんだろうな」「でも、お金よりもこっちの方が価値が高いよな」というようなことを考えさせて、その2年後や3年後に、また違う仕組みで価値観を考えさせる。すると、「そういえば俺って高校1年生の時はお金を稼ぐことが一番だと思っていたけど、部活や高校2年間の経験で、価値観が変わったな」っていう、自己変容を振り返らせることができる。これもキャリア教育なんです。

工藤一度、自分の価値観を考える経験をして、それが変わったと感じること。自分はこういう経験を経て、変わったということを実感できるのは、楽しいというか面白いですよね。

長田そういうことなんです。かつては、こういった価値観を考えさせる授業を受けた人は、多くなかったかもしれません。大人から価値観を教え込まれたと思う方もいるかもしれません。直接は言われなくても、ある程度の大学に行き、いい企業に就職することで安泰な人生を送ることができるということを、なんとなく社会全体が押しつけてきたのではないでしょうか
でももう、そんな時代じゃない。自分の中で価値を判断し、自分でモノや仕事を作り上げていくことが求められる時代になっています。だからこそ、我々が経験できなかったようなプログラムがすごく大事になってきているんじゃないかと思います。

工藤MoneyConnection®は、10年以上前から情報は提供するけれど、「教えない」「価値観を押し付けない」というポリシーでプログラムを行ってきました。これは、長田さんがおっしゃる「これからのありよう」にマッチしたプログラムだと自信を持っていいのでしょうか?

長田そうですね。正解はいくつもあるし、模範解答はないんです。例えば、プログラムを受けた3日後にもう一度聞いたら、価値観が変わっている子がいるかもしれない。明日何かが起こって、価値観が変わるかもしれない。
そういう上書きを繰り返していくこと自体が、キャリア教育なんです。

工藤価値観を押し付けないことは、とても難しいことですよね。

長田本当に難しいです。教員は「先生まとめてください」と言われると、どうしても自分の価値観を語ってしまうんですよね。すると、子どもたちは先生の最後のまとめに正解というか、模範解答を求めてしまう。でも、そうじゃないんです。
生徒が言っていることを聞いたり書いていることを見たりしながら、何人かを選んで意見を発表させる。すると、答えはいっぱいあるんだっていうことを確認し、また、それで生徒の価値観は上書きしていく。そんな仕掛けやプロセスを大事にしていきたいものです。

工藤今、働き方がパラレルになってきて、起業とフリーランスと副業がごちゃごちゃになってきていますよね。例えば、本業の他に投資や副業をしている人にとっては、3つの働き方をしていることが一つのあり方になっていて。
これから先のことを考えると、MoneyConnection®のプログラムもアップデートしていかなければと思いました。

長田そうですね。選択肢はたくさんあった方がいいと思います。選択肢を与え、子どもたちが自分で選ぶことが大事なのではないでしょうか。

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